(運営)新宿漢方クリニック:〒160-0022 東京都新宿区新宿1-29-8 公衛ビル3階
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日本消化器病学会によると、以下のように述べています。
炎症性腸疾患は、英語ではinflammatory bowel diseaseと呼ばれ、その頭文字をとってIBD(アイビーディー)と略されます。
IBDは、広い意味では腸に炎症を起こす全ての病気を指しますが、狭い意味では「潰瘍性大腸炎」と「クローン病」のことを意味します。
潰瘍性大腸炎もクローン病も今のところ原因がはっきりとはわかっておらず、このため発症すると長期間の治療が必要な慢性の病気です。
また、長期的には病状が悪い時期(再燃期)と落ち着いている時期(寛解期)を繰り返すのが特徴です。
潰瘍性大腸炎は炎症性腸疾患の1つであり、大腸の最も内側の層である粘膜に炎症が起こり、びらんや潰瘍ができる慢性の病気のことです。
原因は明らかにはなっていません。
潰瘍性大腸炎は厚生労働省から難病指定されています。
この病気はすぐに命に関わることはないですが、根本治癒が難しいと言われています。
似たような病気にクローン病というのがあります。
潰瘍性大腸炎は炎症が大腸だけにおこりますが、クローン病では炎症が大腸だけでなく 消化管(口腔、咽頭、食道、胃、小腸、大腸、肛門)のどの部分にも起こりえます。
潰瘍性大腸炎は基本直腸からはじまり、口の方へ向かって広がっていきます。
その広がり方によって直腸炎型、左側大腸炎型、全大腸炎型の3つに分類されます。
潰瘍性大腸炎・クローン病は自己免疫疾患の1つです。
日本では、難病の患者に対する医療費助成を行うための法律として「難病の患者に対する医療等に関する法律」(難病法)が制定され、平成27年1月1日に施行されました。
この法律において、医療費助成の対象となる難病は「指定難病」と呼ばれています。
潰瘍性大腸炎、クローン病は指定難病の一つです。
指定難病には、以下の条件が必要です:
潰瘍性大腸炎やクローン病は、正確な原因はまだ完全に解明されていない複雑な疾患です。しかし、研究により、以下の要因が潰瘍性大腸炎の発症に関与する可能性があることが示唆されています:
炎症性腸疾患の発症には複数の要因が関与しており、個人のリスクは異なることがあります。
以下に、炎症性腸疾患のリスク因子の一部を紹介します:
遺伝的要因:
遺伝的要因がIBDの発症に大きな影響を与えます。家族歴にIBD患者がいる場合、その個人のリスクが高まります。特定の遺伝子変異(NOD2など)がIBDの発症に関連していることも知られています。
免疫系の異常:
免疫系の過剰反応や異常な反応がIBDの一因と考えられています。免疫系が腸内の正常な細胞や微生物に攻撃を仕掛けることがIBDの炎症を引き起こす可能性があります。
腸内微生物叢(腸内細菌叢):
腸内微生物叢がIBDに影響を与える可能性があります。微生物の組成やバランスが崩れることで、腸内炎症が引き起こされる可能性があります。
環境要因:
環境要因もIBDのリスクに寄与する可能性があります。たとえば、喫煙、食事、抗生物質の使用、感染症、ストレスなどが関連付けられています。
地理的要因:
IBDの発症は地理的に異なり、特定の地域や人種・民族においてリスクが異なることがあります。ヨーロッパや北米に多くみられ、続いてオーストラリアや日本といった国々で増えています。
以前の腸疾患の既往歴:
以前に腸疾患を経験したことがある場合、IBDのリスクが高まることがあります。
免疫抑制薬の使用:
一部の免疫抑制薬を使用している場合、免疫系が抑制されるため、発症リスクが高まることが報告されています。
これらの要因は炎症性腸疾患の発症に関与する可能性がありますが、正確な原因はまだ解明されていません。
炎症性腸疾患のリスクを最小限に抑えるためには、遺伝的なリスクや環境要因に注意し、健康な生活習慣を実践することが重要です。
日本での患者数は18万人以上(2014年)、 人口10万人あたりの潰瘍性大腸炎の患者数は134.4人(2014年)です。
2014年以降も患者数は増加傾向だと考えられています。
男女差はほぼなく1:1です。
発症年齢は男性では20~24歳、女性では25~29歳が一番多いです。
しかし、子供から高齢者まで発症する可能性のある病気です。
特徴的な症状には、
などがあります。
症状が落ち着いている時期(寛解期)と、症状が悪化している時期(再燃期)を繰り返しながら慢性化していきます。
病気のためからだの一部が深いところまで傷ついた状態、ただれ。
少し詳しくいうと、
「病気のために粘膜や皮膚の表面が炎症を起こしてくずれ、 できた傷が深くえぐれたようになった状態」
のことです。
「『潰』は『くずれる』こと、『瘍』は『からだの傷やできもの』のことで、 『潰瘍』は『からだの一部がくずれてできた傷』という意味です。
同じようにしてできた傷でも浅い場合は『糜爛』(びらん)と言います。」
腸には大きく分けて小腸と大腸があります。
口から入った食べ物が食道、胃、小腸、大腸、肛門へと運ばれていき、 不要なものは大便として排出されます。
小腸は食物を消化しながら多くの栄養素を吸収します。
吸収されなかったものが大腸へ運ばれ、そこで水が吸収され便の形になります。
小腸の長さが約6メートルなのに対し大腸は約1.5メートルと小腸と比べると短いです。
大腸には上行結腸、横行結腸、下行結腸、S字結腸、直腸からなっています。
小腸から運ばれてきた食べ物の残りかすなどは上行結腸では水様ですが、 横行結腸、下行結腸と進むにつれて水分が吸収され粥状になっていきます。
その後S字結腸で便の形になり直腸に下り、排便されます。
ヒトの腸内には約1000種類、100兆~1000兆個の腸内細菌が棲みついています。
重さにすると約2キログラムありますが、 そのほとんどが大腸にいるということがわかっています。
腸内細菌には大きく分けると善玉菌、悪玉菌、日和見菌という3種類の細菌が存在します。
善玉菌:悪玉菌:日和見菌のバランスが2:1:7であると、病気になりにくい健康な状態です。
このバランスが崩れると炎症が起こり、病気になりやすくなります。
潰瘍性大腸炎やクローン病の患者さまも、腸内細菌のバランスが乱れています。
そのため、腸内で炎症が起き、つらい症状が出てきている状態です。
根本的な改善を目指すなら、腸内細菌を意識した治療や日常生活が必要になります。
炎症性腸疾患の患者数はヨーロッパや北米に多いと報告されています。
私は10年間アメリカで鍼灸臨床をしていました。その間にたくさんの炎症性腸疾患の患者さんの施術にあたらせていただきました。
その中でどのような鍼灸施術、食事療法、日常生活の改善をすることが炎症性腸疾患の改善に良いのか勉強し実践してきました。
私な中で「これだ!」というやり方が確立されました。
しかしそれはアメリカ人に対するやり方でした。
日本人とアメリカ人とでは生活習慣、考え方、食生活など全く違うので、アメリカでやっていたことと同じことを日本でやっていても同じ結果にはならないことに気づきました。
日本へ帰ってきてからはなかなか上手くいかず、苦労しました。
その後、改良を重ね、日本人の体質に合った鍼灸施術、食事、生活習慣を基に施術法を実践しています。
当院では潰瘍性大腸炎やクローン病を、主に以下の様に分類して考えています。
1. 湿熱タイプ
目的: 余分な水分や熱を取り除く
ツボ: 陰陵泉、曲池、天枢、上巨虚、大腸兪、脾兪
2. 木克土
目的: ストレスを緩和する
ツボ: 足三里、天枢、公孫、太衝、期門、中脘、章門、 陽陵泉、気海
3. 気滞血瘀
目的: 身体の循環を改善する
ツボ: 太衝、期門、合谷、曲地、 陽陵泉、血海
4. 脾虚湿盛
目的: 消化吸収を強化する
ツボ: 中脘、脾兪、足三里、天枢、三陰交
5. 脾腎両虚(脾腎陽虚)
目的: 身体を温め、気を充実させる
ツボ: 脾兪、腎兪、気海、百会、 足三里、命門、太谿、復溜、志室、上巨虚、天枢、太白、
炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)とは言っても一人一人タイプは違います。
一人一人違う性格なのと同じで、治療法も一人一人違います。
まずは、あなたはどのタイプに属するか診断します。
ここに挙げたタイプ以外のこともありますし、 いくつかのタイプが混ざり合っていることもあります。
正しい診断のためにお話を聞き、脈に触れ、舌を診て、ツボのチェックをします。
その後適切なツボに鍼や灸治療をしていきます。
炎症性腸疾患の治療にあたっては、どのような食材を口にすると快方へ向かうのか、 しっかりと理解する必要があります。
特にいくつかの食材は、免疫系に過剰に働きかける可能性があります。
また、それらは消化器系(胃や腸など)に炎症を起こします。
言い換えると、ある特定の食べ物があなたの身体に合っていないのです。
身体に合わないものを食べれば身体は調子を崩します。
ある特定の食材とは、一人ひとり違います。
私は身体に合わない食材のことを『毒』だと考えています。
その「身体の毒となっているものを、患者さまと一緒に探し出す」
というのが私の仕事の一つです。
潰瘍性大腸炎やクローン病の患者さまで多く見られる、身体に合わない食材には、
グルテン(小麦など)、乳製品(牛乳、チーズなど)、砂糖、辛い調味料
などがあります。
これらを毎日のように食べていませんか?
毎日のように食べているので、それが身体に害になっているとは想像もできないと思います。
もしこれらがあなたの身体に害をあたえているのなら、
これらを食べないようにすれば体調は良くなっていきます。
逆に、今まで通り食べ続けていたら、体調は良くなるどころか、
今後もっと悪くなっていくでしょう。
小麦などのグルテンや乳製品はほとんどの人が毎日食べているので、
それらを除いた食事は難しいと思うかもしれません。
しかし、他にも食べれるものは沢山あります。
身体に合っているものを見つけ、それを食べれば良いのです。
身体に合っている食材を見つける方法もお伝えしますのでご安心ください。
潰瘍性大腸炎やクローン病の治療には、
食事の管理なしで症状のコントロールや根本的治療は難しいです。
私達の身体を作っている食事の重要性を理解し、 腸の修復をしていくことが最も重要になります。
乳酸菌やビフィズス菌などのプロバイオティクスは、積極的にサプリメントで摂るべきです。
これらは私たちを健康に導いてくれる、善玉菌です。
炎症性腸疾患の方は、腸内環境のバランスが崩れています。
良質の善玉菌を摂ることで、崩れた腸内細菌のバランスを整えるのが目的です。
他にも消化器系を修復するために、ボーンブロス、ぬか漬け・納豆・コンブチャなどの 発酵食品も上手く取り入れていく必要があります。
潰瘍性大腸炎・クローン病の治療には、 食事の管理なしで症状のコントロールや根本的治療は難しいです。
私達の身体を作っている食事の重要性を理解し、 あなたの身体に合った食材やサプリメントを通して、 腸の修復をしていくことが最も重要になります。
基本は薬物療法もしくは外科的治療(手術)になります。
治療の中心はアミノサリチル酸製剤と、ステロイド製剤と言われる炎症抑制剤になります。
ステロイド剤:
この炎症抑制剤は腸の炎症を鎮める効果があると知られていますが、 同時にいくつもの副作用があることでも知られています。
発熱・下痢などのアレルギー反応、頭痛、発疹、かゆみ、めまい、 男性の場合は精子の数が減少するなどがあります。
ステロイド剤の副作用としては、満月様顔貌(ムーンフェイス)、 不眠、食欲増加、ニキビ、体重増加などがあります。
服用が長期になると骨粗しょう症、胃潰瘍、高血圧、糖尿病、感染症などを起こすこともあります。
免疫調節剤:
潰瘍性大腸炎やクローン病は過剰な免疫反応が関係していると考えられています。
そこで免疫反応を抑制するために、免疫調節剤という薬を使います。
主にステロイド依存の患者さんや、ステロイド剤の治療に反応しない方に用いられます。
副作用としては、貧血、出血、白血球や血小板が少なくなることがある、
感染症、肝機能障害、膵炎、食欲不振、口内炎、脱毛、舌炎、関節炎などがあります。
手術:
上記の治療で効果がえられない重症例、大量の出血、腸に穴があいてしまうケース、大腸がんの合併の場合に手術が選択されます。
基本は大腸を全部摘出します。
潰瘍性大腸炎やクローン病は難病指定されているのですが、いますぐ命に関わる病気ではありません。
正しくこの病気を知り、対処していけば必ず症状は軽減します。
難病指定されているだけあって、簡単に治る病気ではないです。
ゆっくり時間をかけて適切な治療と、日常生活の見直しをする必要があります。
私が自信を持ってお勧めするのが、鍼灸治療と食事療法です。
また色々なサプリメントが必要になります。
もしあなたが治療に積極的に参加することができたら、 必ず病気は快方へ向いていきます。
潰瘍性大腸炎やクローン病でお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。
ご予約は、「オンライン予約」・「お電話」・「LINE」のいずれかで取ることができます。
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その方が予約がスムーズです。
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