アトピー性皮膚炎

アトピー性皮膚炎とは?

アトピー性皮膚炎とは、かゆみや湿疹を伴う、アレルギーと関連がある皮膚炎のことです。

「炎」という文字があるように、皮膚に『炎症』が起きている状態です。

英語では「atopic dermatitis」と言います。
atopicとはギリシャ語のatoposアトポスが由来だといわれています。

これは「特定されていない」「奇妙な」という意味があるそうです。

アトピー(atopic)という名は1923年にArthur Fernandez Cocaによって 名付けられました。

その当時Cocaは「異常な過敏反応」という考えを発表し、 その中にアトピーを分類しました。

この当時のアトピーには喘息と枯草熱のことを指しましたが、 皮膚は含まれていませんでした。

 

その後、1933年にアメリカの皮膚科医Marion Sulzbergerによって

『atopic dermatitis(アトピー性皮膚炎)』という言葉が初めて使われました。

 

アトピー性皮膚炎の定義

日本皮膚科学会の定義によると

アトピー性皮膚炎は,増悪と軽快を繰り返す瘙痒のある湿疹を主病変とする疾患であり,患者の多くは「アトピー素因」を持つ特徴的な左右対称性の分布を示す湿疹性の疾患で、 年齢により好発部位が異なる。

乳児期あるいは幼児期から発症し小児期に寛解するか,あるいは寛解することなく再発を繰り返し,症状が成人まで持続する特徴的な湿疹病変が慢性的にみられる。

アトピー性皮膚炎の原因

アトピー性皮膚炎の原因には大きく分けて3つあります。

  • 1
    体質によるもの
  • 2
    環境によるもの
  • 3
    生活習慣によるもの

体質によるもの

皮膚のバリア機能が低い、家族にアレルギー疾患を持っている人がいる というものです。

環境によるもの

ダニ・ハウスダスト・汗・乾燥、化粧品などの体の外からの刺激 によるものです。

生活習慣によるもの

睡眠、ストレス、体に溜まった毒素、腸内環境の乱れ、そして食生活の乱れのことです。

私は現代のアトピー性皮膚炎の原因の中で一番大事だと考えているのが、 生活習慣によるものです。

元々アトピー性皮膚炎は幼児期に発症して、小児期に軽快していくケースが一般的でした。

しかし、近年では、大人になってから発症したり、 成人しても症状がよくならない・悪化している。
といったケースが急増しています。

特にこのようなケースでは生活習慣の見直しが必ず必要になります。

アトピー性皮膚炎の症状

  • 左右対称の湿疹と分布
  • かゆみ
  • 赤みのある湿疹
  • 小さなブツブツ様の湿疹
  • 水分の多い湿疹
  • 手、足、足首、手首、首、胸、目の周り、口の周り、肘、膝などによく見られる
  • 増悪と軽快を繰り返す
  • 乾燥肌
  • 厚く、ヒビが入った、うろこ状の皮膚

当院での治療法

当院では、アトピー性皮膚炎を以下のように分類して考えています。

 
  • 1
    症状が出現したり引っ込んだりとコロコロ変わる状態:風(ふう)
  • 2
    消化が上手くできない方によく見られる状態:湿(しつ)
  • 3
    体に熱が溜まっている状態:熱(ねつ)
  • 4
    皮膚が乾燥した状態:燥(そう)
  • 5
    体に必要なものが足りていない状態:虚(きょ)

風(ふう)

東洋医学では、風は万病の元と言われています。

私たちは毎日のように風にさらされています。
風が強い。風が冷たい。風上。風下。風脚。など多くの風を使った言葉があります。

免疫力(気)がしっかりしていれば、風に吹かれても体調を崩すことはありません。

しかし、ストレスや日常生活の乱れで気を消耗してしまい、気が風に抵抗できなくなってしまいます。

風は強く吹いたり、急におさまったり、冷たい風、暖かい風、そよ風、台風、突風など様々な性質を持っています。

アトピー性皮膚炎の症状も、急に悪化したり、弱まったり、熱くなったりとまるで 風のように様々な症状が出たりなくなったりします。

このような症状が出現したり引っ込んだりとコロコロ変わる状態を風と呼びます。

また、風に当たることによってかゆみが悪化します。

湿(しつ)

梅雨の時期になると皮膚の状態が悪くなったり、関節痛、
体が重いなどの症状が出ることを湿と言います。

湿気の多い気候や環境の中で生活していると、その湿気が体の中に入り込んで体調を崩します。

また、消化が上手くできない方は体の内側から湿がたまります。

湿疹は字の如く湿が原因となっています。

舌の苔が厚い方は湿の体質だといえます。

熱(ねつ)

顔色が赤い、目が赤い、冷たい飲み物を好む、口が乾きやすい、手足がほてる、
舌の色が赤い、舌の苔が黄色いというのは全て熱のサインです。

皮膚でいうと、強いかゆみ、赤みがある、触ると熱い、赤いブツブツなどが熱のサインです。

暑い時期や温めると症状が悪化します。

燥(そう)

皮膚が乾燥した状態を燥と呼びます。

特に冬の乾燥した時期には症状が悪化します。

皮膚にひび割れができて出血したり、皮膚がうろこ状になることもあります。

基本的に燥の原因には体の外から来るものと、体の内からくるものがあります。

原因が体の内側からの代表的なものは血虚と呼ばれ、 改善には時間がかかることが多いです。

虚(きょ)

虚とは、体に必要なものが充分でないという意味です。

栄養不足で体の調子が悪いというとイメージしやすいかと思います。
ビタミン不足ならビタミンを補えばいい。
とイメージできると思います。

アトピー性皮膚炎の虚の代表例には、
脾虚(ひきょ)、肺虚(はいきょ)、腎虚(じんきょ)、血虚(けっきょ) があります。

脾虚(ひきょ)

食べ物の消化に問題がある方に多いです。
食べ物から得た気をスムーズに吸収できなくなっています。

食欲不振、膨満感、疲れやすい、便がゆるい、ガスが溜まりやすいなどの症状があります。

脾虚の方は湿が溜まりやすいです。

肺虚(はいきょ)

咳、疲れやすい、風邪をひきやすい、息切れなどの症状がみられます。

皮膚との関係も深く、乾燥肌、発汗異常(汗をかきやすい、汗をかかない)等の症状がよくみられます。

腎虚(じんきょ)

腰痛、足腰がだるい、尿が近い、尿が出にくい、耳鳴り、足がむくむ、冷え性などがよくみられます。

腎虚では乾燥肌やかゆみが悪化します。

 

血虚(けっきょ)

めまい、貧血気味、顔色が悪い、爪が白い、髪の潤いがない、不眠、不安感、 生理不順などが出ます。

皮膚の乾燥、かゆみ、カサカサ、乾燥した皮膚がポロポロ落ちるなどの症状がみられます。

皮膚炎が慢性化してくると、血虚の症状が強くなってくることが多いです。

当院でよく使うツボ:症状別

  • 風の症状: 風池・風門・風市・合谷
  • 湿の症状: 陰陵泉・豊隆
  • 熱の症状: 曲池・血海・内庭
  • 燥の症状: 足三里・三陰交・膈兪・脾兪
  • 脾虚の症状: 太白・足三里・三陰交・脾兪・気海
  • 肺虚の症状: 太淵、太白・肺兪
  • 腎虚の症状: 太谿・三陰交・腎兪・肝兪
  • 血虚の症状: 膈兪・肝兪・腎兪・気海・血海・三陰交

食事療法

当院ではアトピー性皮膚炎の患者様には、最初のステップとして、 症状を悪化させる可能性のある食材を徹底的に避けることをお勧めしています。

これは一人一人違いますので、カウンセリングをしてから、 アドバイスさせていただいています。

皮膚の炎症を起こす原因となっている食材の代表としては、 グルテン(小麦、大麦、スペルト小麦、ライ麦)、乳製品、植物油、糖質、大豆などがあります。

私が皮膚炎に関して一番注目しているのは油(脂質)です。

油にも色々な種類がありますが、 特にオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸のバランスが大事だと考えています。

オメガ3脂肪酸に代表される脂肪酸にはα-リノレン酸があります。

α-リノレン酸は体内でDHA・EPAに変換されます。

これらは細胞を柔らかくする、血液の流れを改善する、脳や神経系の機能を向上させる、 炎症を抑えるなどの効果があります。

皮膚炎に対しては、炎症を抑える、アレルギー反応を抑制する、 肌の弾力性や潤いを保つ作用があると言われています。

青魚、魚油、亜麻仁油、えごま油、しそ油に多く含まれています。

一方、オメガ6脂肪酸に代表されるリノール酸は、 細胞膜を強化する、血中コレステロールを低下させる、認知機能の改善効果があると言われています。

大豆油、紅花油、コーン油、ひまわり油、綿実油、キャノーラ油、菜種油などに多く含まれています。


多くの雑誌やテレビ等で言うように、オメガ3は体に良くて、オメガ6は体に悪いと思っている方が多いと思います。

この考えは間違えではないのですが、正確でもないです。

実はオメガ3脂肪酸もオメガ6脂肪酸も体には大事な脂肪酸なのです。

とちらも体内で作られることはないので、 食事やサプリメント等で摂取する必要があります。

これらを必須脂肪酸と呼びます。
 

1番大事なのは、オメガ3とオメガ6のバランスです。

オメガ3は細胞膜を柔軟にして栄養素など必要なものを取り入れやすくします。

逆にオメガ6は細胞膜を強固にして、必要な栄養素が簡単に細胞から出て行かないようにしています。

これが、オメガ3が少な過ぎて、オメガ6が多過ぎると、 細胞膜が固くなりすぎて必要な栄養素を取り入れられなくなったり、老廃物を除去出来なくなります。

逆に(あまりないですが)、オメガ3が多すぎて、オメガ6が少な過ぎると、 細胞膜が柔らかくなり過ぎて、必要なものも必要でないものも簡単に出入りしてしまいます。
 

現代の食事では圧倒的にオメガ6脂肪酸の摂取量が多いすぎるのです。

お手頃でクセも少ないのでサラダ油が家庭で爆発的に人気になりました。

ずっと前のことではありますが、リノール酸が体に良いといって宣伝されていた時代もあったため、今だにオメガ6の過剰摂取に危機感を感じていない方が多いように思います。

本来は肉、卵、米などにオメガ6は含まれていて、これらを食べているだけで、 必要量は充分に補えているのです。

オメガ6系の油で料理をする必要は全くないのです。

しかし、お菓子、パン、揚げ物、マヨネーズ、カップ麺、加工食品等何にでもオメガ6系の油を使っています。

そして、オメガ6過剰摂取によって体に炎症が起き、アトピー性皮膚炎、アレルギー症状、動脈硬化、
心筋梗塞、うつ病、認知症、ガンなど多くの病気の原因になっていると言われています。

ちなみに、食品の原材料名をチェックしていただくと、 食物性油脂という名前をよく目にします。
これは、ほぼ間違いなくリノール酸(オメガ6脂肪酸)のことです。

オメガ3 : オメガ6は 1 : 2 くらいが理想的だと言われています。

1 : 4 くらいという専門家もいらっしゃいます。

オメガ6は普段の生活で摂りすぎなくらいなので、 オメガ3を積極的に摂取していく必要があります。

 

オメガ3脂肪酸を1日大さじ1杯を飲み続けるだけで、数ヶ月後には肌の状態が変わったという方もいらっしゃいます。

ここでは詳しくは書きませんが、マーガリンやショートニングは絶対に避けてください。

植物油に水素を添加して人工的に作られたものです。

これらには加工の際にトランス脂肪酸を発生します。

このトランス脂肪酸は心筋梗塞や脳卒中などの原因になっている言われています。

海外ではトランス脂肪酸の使用を禁止や制限をしている国も多くあります。

これもスーパーやコンビニで食品を買う際に原材料名をチェックしてください。

本当に多くの食品にマーガリンやショートニングが使われています。

 

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2021/03/29
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