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「最近、朝起きるのがつらい…」「どうも体がだるくて、やる気が全然出ない…」

もしあなたが、今まさにそう感じているなら、それは「五月病」のサインかもしれません。

新しい環境での疲れやストレスがピークに達し、心と体にSOSが出ている状態。

でも、ご安心ください。五月病は特別な病気ではなく、誰にでも起こりうる体の自然な反応です。
そして、そのつらさを和らげ、元気を取り戻すための方法は、ちゃんとあります。

この記事では、五月病でなぜ心身が不調になるのかを分かりやすく解説し、特に「食」と「鍼灸」という、私たちの体に優しく働きかけるアプローチで、つらい症状から早く回復するための具体的な方法をお伝えします。

なぜ五月病になると、心も体も「重く」なるのか?

まず、五月病が一体なぜ起こるのか、そのメカニズムを少しだけ覗いてみましょう。

新しい環境(入学、就職、異動など)は、希望に満ちている一方で、私たちの体にとっては大きな変化であり、知らず知らずのうちにストレスがかかっています。

このストレスに体が適応しようとするとき、特に大きな影響を受けるのが「自律神経」です。

加えて、春から初夏にかけてのこの時期は、気温の上下動が激しかったり、雨が降ったり晴れたり、気圧が大きく変動したりと、天気も非常に不安定です。 

私たちの体は、こうした気候の変化に対しても、体温を一定に保ったり、体内の水分バランスを調整したりするために、自律神経を使って懸命に働いています。

つまり、新しい環境への適応に加え、不安定な天気への対応という二重の負担が、自律神経にのしかかるのです。

自律神経には、活動時に優位になる「交感神経」と、リラックス時に優位になる「副交感神経」があります。健康な状態では、この二つがシーソーのようにバランスを取りながら働いています。

ところが、環境の変化や天候の変動によって自律神経がフル稼働し続けると、心も体も戦闘モードになりがちで、交感神経が優位な状態が続いてしまいます。すると、アクセルばかり踏んでブレーキが効かない車のように、心臓がドキドキしたり、体が常に緊張していたり、夜になってもリラックスできずに眠りが浅くなったりします。

さらに、ストレスは私たちの脳にも影響を与えます。

特に、感情や意欲に関わる部分の働きが低下しやすくなり、「やる気が出ない」「集中できない」「なんだか憂鬱…」といった心の症状が現れるのです。

つまり、五月病は、新しい環境と不安定な天気によるストレスで自律神経のバランスが崩れ、脳の機能も一時的に低下することで起こる、心と体からの「ちょっと休憩させてほしいな」というサインなのです。

 

 

 

つらい五月病の症状を和らげるための心強い味方!

では、このつらいサインに、私たちはどう寄り添えば良いのでしょうか?
ここでご紹介したいのが、「栄養」と「鍼灸」という、あなたの体の中から、そして外から優しく働きかける二つのアプローチです。

 

 

体の中から立て直す!「五月病対策栄養学」

私たちの体は、食べたものから作られています。
脳も、神経も、心臓も、すべてが日々の食事によって維持されています。

五月病で疲れた心と体を回復させるためには、体が必要としている栄養素をしっかりと届けてあげることが非常に大切ですす。

特に意識して摂りたい栄養素は以下の通りです。

  • ビタミンB群: エネルギーを作り出す工場のような存在です。これがないと、体がだるく、疲れやすくなってしまいます。ご飯やパンなどの糖質をエネルギーに変えるのにも必須ですし、神経の働きを正常に保つ役割もあります。豚肉、うなぎ、レバー、大豆製品などに豊富です。
  • トリプトファン: 「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの材料になるアミノ酸です。セロトニンは心の安定に関わる物質で、不足すると気分が落ち込んだり、不安になったりしやすくなります。乳製品、大豆製品、ナッツ類、バナナなどに多く含まれます。
  • DHA・EPA: 脳の神経細胞を健康に保つために非常に重要な、いわゆる「良い油」です。脳の機能をサポートし、気分の落ち込みを和らげる可能性も示唆されています。サバやイワシなどの青魚にたっぷり含まれています。
  • ミネラル(マグネシウム、カルシウムなど): 神経の興奮を抑えたり、リラックス効果を高めたりする働きがあります。特にマグネシウムは不足しがちで、イライラや不眠につながることもあります。海藻類、ナッツ類、豆腐などに含まれています。

これらの栄養素をバランス良く、日々の食事から摂ることを心がけましょう。
これを食べれば一発で治る!」という魔法の食材はありませんが、毎日の積み重ねがあなたの心と体を強くしてくれます。

忙しくて自炊が難しい時は、サプリメントで補うことも選択肢の一つですが、まずは「何を食べるか」に意識を向けるのがおすすめです。

 

 

体の外から整える!「五月病と鍼灸」

「鍼(はり)」や「灸(おきゅう)」と聞くと、「痛そう」「熱そう」と少し怖いイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれません。
でも、鍼灸は古くから東洋医学で用いられてきた、私たちの体に備わる自然治癒力を引き出すための優しいアプローチです。

五月病による心身の不調に対して、鍼灸はどのように作用するのでしょうか?

生理学的に見ると、鍼や灸による刺激は、私たちの脳に働きかけ、自律神経のバランスを整える作用があると考えられています。

特に、興奮した交感神経の働きを抑え、リラックスをもたらす副交感神経を優位に導くように促す可能性が研究されています。

また、鍼灸は全身の血行を促進する効果も期待できます。
血行が良くなると、疲労物質が流れやすくなり、体に必要な酸素や栄養がしっかり届くようになるため、体のダルさや重さが和らぎやすくなります。

さらに、鍼灸の刺激によって、脳内で「エンドルフィン」といった心地よさをもたらす物質が分泌されることも知られておりこれが心の緊張を和らげ、リラックス効果をもたらすと考えられています。

東洋医学的な観点では、五月病のような不調は、体の中を流れる「気(生命エネルギー)」や「血(血液)」の流れが滞っている状態と考えます。

鍼灸は、体の特定の場所(これを「経穴」、いわゆる「ツボ」と呼びます)を刺激することで、この気や血の巡りをスムーズにし、体全体のバランスを整えることを目指します。

五月病の症状に有効とされるツボはいくつかありますが、例えば手首にある「内関(ないかん)」は、吐き気や乗り物酔いにも使われるツボですが、自律神経の調整にも効果があると言われています。

また、足の「足三里(あしさんり)」は、全身の疲れや胃腸の不調に広く使われるツボで、体力を回復させる助けになります。

鍼灸を受けることで、張り詰めていた心と体の緊張が緩み、深いリラックスを感じられることがあります。

これは、日頃高ぶっていた交感神経が落ち着き、副交感神経が優位になってきているサインかもしれません。

鍼灸は痛みを我慢するものではなく、心地よさを感じながら受ける治療です。
五月病のつらい症状に悩んでいる方は、一度専門の鍼灸師に相談してみるのも良いでしょう。

あなたの体の状態に合わせて、最適なツボを選び、施術してくれますよ。

 

 

 

自分に優しく、回復への一歩を踏み出そう

五月病は、あなたが弱いからなるのではありません。
新しい環境や不安定な天候に一生懸命適応しようと頑張った証拠です。
だから、自分を責める必要は全くありません。

大切なのは、心と体が出しているSOSに気づき、早めに優しくケアしてあげることです。

今回ご紹介した「栄養」と「鍼灸」は、そのための強力なサポーターになってくれます。

バランスの取れた食事で体の内側からパワーチャージし、鍼灸で体の外側から緊張をほぐして自律神経を整える。これらに加えて、十分な睡眠をとる、軽い運動で体を動かす、好きな音楽を聴くなど、あなたが「心地よいな」「リラックスできるな」と感じる時間を意識的に作ることも、回復を早めるためにはとても効果的です。

もし、症状が重く、日常生活に支障が出ている場合は、一人で抱え込まず、ぜひご相談ください。

五月病は、適切なケアをすれば必ず回復します。
焦らず、一つずつ、あなたの心と体が喜ぶことを試してみてください。

このブログが、あなたが元気を取り戻すための一歩を踏み出すきっかけとなれば、これほど嬉しいことはありません。

 

 

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