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あなたの体が自分自身を攻撃しているとしたら、どう思いますか?

これが自己免疫疾患の現実です。

 

しかし、恐怖に包まれる必要はありません。

この記事では、自己免疫疾患とリーキーガットの複雑な関係を解き明かし、食事と鍼灸を用いた効果的な対策をご紹介します。

 

健康は手の届くところにあるかもしれません。

一緒にその第一歩を踏み出しましょう。

自己免疫疾患とは?

 

私たちの免疫システムが誤って自分自身の組織を攻撃する状態を指します。

通常、免疫システムは体内の異物(細菌、ウイルスなど)を攻撃して排除する役割を果たしていますが、自己免疫疾患ではこのバランスが崩れ、正常な組織を攻撃してしまいます。

 

 

自己免疫疾患には、以下のようなものがあります:

 

  • 関節リウマチ:関節や結合組織を攻撃する疾患。
  • 乾癬:皮膚の過剰な細胞増殖による炎症。
  • 炎症性腸疾患 (IBD):クローン病や潰瘍性大腸炎など、消化管に炎症をもたらす疾患です。
  • 糖尿病タイプ1:膵臓の細胞を攻撃する疾患。
  • 全身性エリテマトーデス全身に影響を及ぼす自己免疫疾患で、皮膚、関節、臓器に炎症を引き起こします。
  • 多発性硬化症 (MS):神経系に影響を及ぼす自己免疫疾患で、神経伝達を妨げます。
  • 橋本病: 甲状腺に慢性的な炎症が生じる自己免疫疾患です。甲状腺機能低下症が生じ、疲労感や体重増加などの症状が現れます。

 

自己免疫疾患は個人差があり、原因は遺伝的、環境的、免疫系の問題などさまざまです。

治療法は病態により異なりますが、食事や生活習慣の改善が重要です。

 

 

 

 

 

免疫細胞の攻撃が自己組織に向けられるメカニズム

 

1. 正常な免疫応答:

    免疫細胞(T細胞やB細胞など)は体内の異物(細菌、ウイルスなど)を攻撃する役割を果たします。

    通常、免疫細胞は自分自身の組織を認識し、攻撃しないように調整されています。

 

2. 自己免疫疾患のメカニズム:

    自己免疫疾患では、免疫細胞が誤って自分自身の組織を敵と認識します。

    自己抗体と呼ばれるタンパク質が、体内の正常な組織を攻撃します。

    例えば、甲状腺ペルオキシダーゼ(TPO)に対する自己抗体が甲状腺を攻撃する橋本病があります。

 潰瘍性大腸炎患者の約90%にインテグリンαVβ6というタンパク質に対する自己抗体が存在し、大腸粘膜の上皮細胞を攻撃する可能性があります。

 

3. 結果:

    自己免疫疾患により、組織や臓器が炎症を起こし、正常な機能が妨げられます。

    簡潔に言えば、自己免疫疾患では免疫細胞が誤って自分自身を攻撃するため、体内の組織に炎症が生じるのです。

 

 

 

 

自己免疫疾患とリーキーガット症候群

 

自己免疫疾患について説明する際、リーキーガット症候群(腸管壁浸漏症候群または腸もれ症候群の説明が重要です。

 

なぜなら、リーキーガットは自己免疫疾患の発症に関与しているからです。

 

リーキーガットは、腸内環境が悪化し腸の上皮バリアが低下し、本来腸を透過しない有害物質、未消化物や微生物成分が血液中に漏れ出す状態を指します。

 

この状態では、血流に入ったこれらの物質が全身に炎症や免疫の過剰反応(アレルギー)を引き起こす可能性があります。

 

以下にリーキーガットと自己免疫疾患の関係を具体的に説明します

  1. リーキーガットのメカニズム:
    • 腸の上皮細胞は、タイトジャンクションと呼ばれる結合で密着しています。これが腸内細菌や抗原の体内への侵入を防いでいます。
    • リーキーガットでは、タイトジャンクションが開いて腸の透過性が亢進します。これにより、未消化のタンパク質や病原菌や毒素が血流に入り込むことができます。
       
  2. 自己免疫疾患との関連:
    • リーキーガットによって体内に入った異物は、全身に影響を及ぼします。これにより、自己免疫反応が誤作動し、自己免疫疾患の発症を引き起こす可能性があります。
    • 自己免疫疾患は、体内の正常な組織を攻撃する状態であり、リーキーガットがそのトリガーとなることがあります。
       
  3. 具体的な症状と関連疾患
     
    ・​​​リーキーガットは、うつ病、不安障害、慢性疲労症候群、湿疹、関節痛などの症状を引き起こす可能性があります。また、アトピーや花粉症、喘息、鬱病、精神疾患、副腎疲労、過敏性腸症候群などさまざまな疾患と関連があるとされています。

さらに、炎症性腸疾患、橋本病、多発性硬化症、関節リウマチなどの自己免疫疾患とも関連しています。

 

リーキーガットの理解は、自己免疫疾患の予防や管理に役立ちます。

 

 

 

 

リーキーガット改善のための4R

 

リーキーガット改善のためには、以下の4つのアプローチがあります:

  1. 除去 (Remove)腸内環境を乱す可能性のある食品や物質を避けること。特に小麦や乳製品、抗生物質、食品添加物などに注意が必要です。
  2. 補填 (Replace)消化をサポートするための材料を摂取すること。消化酵素や胃酸を促すものを取り入れます。
  3. 再殖 (Reinoculate):良い菌を腸に入れ、腸内フローラを改善させること。発酵食品やプロバイオティクスなどを摂取します。
  4. 修復 (Repair):穴の空いた腸粘膜を再生・修復させるための栄養素を摂取すること。抗炎症作用のある食品も重要です。

 

リーキーガットを改善することで、自己免疫疾患の改善にも期待が持てるとされています。

地道にこのアプローチを続けていくことが大切です。

 

 

 

 

 

リーキーガット症候群の原因

 

リーキーガットの原因としてはたくさんありますが、以下の要因が多くの人に共通するものとして挙げられます:

 

  • グルテン: グルテンが分解するとできる「グリアジン」という成分が上皮細胞と結びつくと、「ゾヌリン」というタンパク質が過剰に分泌され、腸壁バリアが破たんします。
     
  • その他の食品: アルコール、カフェイン、唐辛子成分、繊維質の少ない食事などもタイトジャンクションを緩めてしまう作用があると報告されています。
     
  • その他の要因: 食物アレルギー、腸内環境の乱れ、感染症、化学物質、薬品、ストレスなどもリーキーガットを引き起こす要因とされています。

 

 

 

 

 

リーキーガット症候群の症状

 

リーキーガットが原因で起こる炎症は、糖尿病、高脂血症、肥満、認知症の進行を促すことがあります。

 

具体的な症状には筋肉痛、関節痛、胸やけ、腹痛、抜け毛、不眠症、不安感、疲労感、口臭、神経過敏、食欲低下、じんましん、喘息、アトピー性皮膚炎などなど、たくさんあります。

 

 

 

 

 

 

自己免疫疾患に対する食事戦略

 

自己免疫疾患に対する食事戦略として、AIP(Autoimmune Protocol)が注目されています。

AIPは、自己免疫疾患患者に適した食事法であり、炎症を軽減し、体内のバランスを整えることを目指しています。

 

AIPダイエットは、Paleo食(肉、魚、野菜、ナッツ、種子をベースにした食事)の厳格なバージョンとして知られています。

 

この食事法は、腸内の炎症を引き起こす可能性のある食品を排除し、自己免疫状態を改善することを目指しています。

 

以下はAIPダイエットで食べることができる食品と避けるべき食品の一部です:

 

AIPダイエットで食べる食品:

  • 肉および魚(加工していないものが好ましい)
  • 野菜(ただし、ナイトシェードと呼ばれるトマト、ナス、ピーマン、ジャガイモは除く)
  • サツマイモ
  • 果実(少量)
  • ココナッツミルク
  • アボカド、オリーブ、ココナッツオイル
  • 乳製品のない発酵食品(コンブチャ、ココナッツミルク、ザウアークラウト、キムチなど)
  • ハチミツまたはメープルシロップ(時折、少量でのみ使用)

 

AIPダイエットで避ける食品:

  • すべての穀物(オート麦、米、小麦など)
  • すべての乳製品
  • マメ科植物(豆、ピーナッツなど)
  • ナイトシェード野菜(トマト、ナス、ピーマン、ジャガイモ)
  • 砂糖と砂糖の代替品(蜂蜜の時折の使用を除く)
  • バターとギー
  • すべてのオイル(アボカド、ココナッツ、オリーブを除く)
  • タネ類
  • ナッツ類

 

AIPダイエットは、免疫システムをリセットし、自己免疫疾患の症状を軽減する効果があるとされています。

 

ただし、個々の体質に合った食事法を選ぶことが重要です。

 

 

 

以下に、理解しやすいように、発酵食品とプロバイオティクス、そして食物繊維と腸内細菌のバランスについて説明します。

 

発酵食品とプロバイオティクスの役割

  • プロバイオティクスは、人の腸に存在して人に有益な効果をもたらす「微生物」の総称です。これにはビフィズス菌や乳酸菌が含まれます。プロバイオティクスは、腸内環境を整え、免疫機能を向上させる役割を果たします。
     
  • 発酵食品はプロバイオティクスを含む食品であり、腸内細菌のバランスを改善するために重要です。例えば、ヨーグルト、キムチ、ザウアークラウト、コンブチャなどがあります。

 

食物繊維と腸内細菌のバランス

  • 食物繊維は、人の消化酵素で消化されない成分で、大腸まで達します。食物繊維は腸内細菌のエサとなり、腸内環境を良好に保つ役割を果たします。特に発酵性食物繊維は、腸内細菌によって酪酸や酢酸などの短鎖脂肪酸に代謝され、腸内細菌叢のバランスを整えます。

 

 

バランスの取れた食事は、自己免疫疾患患者の健康維持に不可欠です。

 

食物繊維を豊富に含む食品や発酵食品を摂取することで、腸内細菌のバランスを整え、免疫機能をサポートしましょう。

 

 

 

 

この記事を通じて、自己免疫疾患とリーキーガットの関連性を理解し、あなたの身体に合ったな食事法を実践することで炎症を軽減できることを願っています。

 

 

 

 

自己免疫疾患と鍼灸

 

自己免疫疾患に対して鍼灸施術が有益であることが研究から示されています。

以下に、鍼灸が免疫機能に与える影響とそのメカニズムをご紹介します

1. 免疫力の調整:

  • 鍼灸は免疫力を高めるというより、免疫力を調整する作用があります。自己免疫疾患のように免疫系が亢進している状態では、鍼灸は抑制的に作用します。鍼灸は免疫系を調整し、自然治癒力を高める効果があります。​​​


​​​2. サイトカインの調節:

  • 鍼灸は免疫系に関与するサイトカイン(免疫応答を調節するタンパク質)の分泌を活性化させることがあります。
  • サイトカインは免疫機能の調節に重要であり、鍼灸がこれに影響を与えている可能性が高いです。

​3. ストレス軽減:

  • ストレスは腸の健康に影響を与える要因ですが、鍼灸はストレスを軽減する効果があります。

​4. 血流改善:

  • 鍼灸は血流を促進し、腸の組織に酸素や栄養を供給します。

 

 

 

定期的な鍼灸施術と食事の組み合わせで、身体のサポートをしましょう。

 

 

 

食事改善との併用

  • 鍼灸だけでなく、AIPダイエットを取り入れ腸の炎症を最小限に抑えることも重要です。プロバイオティクス(善玉菌)を摂取し、炎症を抑える食材を選ぶことで、リーキーガット症候群の改善に役立ちます。

 

 

 

簡潔にまとめると、鍼灸はリーキーガット症候群において炎症の軽減や免疫調整に効果があり、食事改善と併用することでさらに効果的です。

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