「気象病」って知ってますか？ 気温の変動があなたの体調を崩すワケ

「なんだか最近、体がだるい、頭が重い、気分が沈みがち…もしその不調が、あなたのせいじゃないとしたら？」

「気象病？ 何それ？」って思った方もいるかもしれませんね。
実は、急な気温の変化が、私たちの体の調子を司る「自律神経」を乱し、様々な不調を引き起こすことがあるんです。

知っておきたいこのメカニズムと、その対策について、東西両医学の視点からわかりやすくお伝えしていきます。

気温の変動と自律神経の密な関係

私たちの体には、意識しなくても心臓を動かしたり、汗をかいて体温を調節したりしてくれる優秀なシステムがあります。

それが「自律神経」です。

自律神経には、活動している時に優位になる「交感神経」と、リラックスしている時に優位になる「副交感神経」の2種類があり、この二つがバランスを取りながら私たちの体を健康に保っています。

ところが、急な気温の上昇や下降、気圧の変化など、環境が大きく変動すると、この自律神経のバランスが崩れやすくなります。

特に、寒暖差が激しい時期は要注意。
体は急激な変化に対応しようと、交感神経と副交感神経が頻繁に切り替わり、結果として自律神経が疲弊してしまうのです。
まるで、アクセルとブレーキを同時に踏み込んでいるような状態、と想像してもらうとわかりやすいかもしれません。

 

自律神経の乱れが引き起こす厄介な症状

自律神経のバランスが乱れると、私たちの体には様々なSOSサインが現れます。

 ・頭痛やめまい、耳鳴り
 ・肩こりや首の痛み
 ・倦怠感や疲労感、だるさ
 ・不眠や寝つきの悪さ
 ・イライラや気分の落ち込み、不安感
 ・便秘や下痢などの胃腸の不調
 ・手足の冷えやしびれ
 ・動悸や息切れ

これら「年のせいかな」「ストレスかな」と見過ごしがちな症状の裏に、自律神経の乱れが隠れているケースは少なくありません。



自律神経のバランスを整える効果的な方法

では、この厄介な自律神経の乱れを抑えるにはどうすれば良いのでしょうか？
ここでは、今日からできる簡単な対策をご紹介します。

・規則正しい生活リズム：
決まった時間に起き、決まった時間に寝ることで、自律神経のリズムも整いやすくなります。

 ・バランスの取れた食事：
特に、腸内環境を整える発酵食品や、ビタミン・ミネラル豊富な食材を積極的に摂りましょう。
 
・適度な運動：
ウォーキングやストレッチなど、無理なく続けられる軽い運動がおすすめです。特に、副交感神経を優位にするヨガや深呼吸は効果的です。

 ・入浴でリラックス：
ぬるめのお湯（38～40℃）にゆっくり浸かることで、副交感神経が優位になり、リラックス効果が高まります。寝る1～2時間前の入浴が理想的です。
 
・ストレスケア：
趣味に没頭する、好きな音楽を聴く、瞑想するなど、自分に合ったストレス解消法を見つけましょう。

東洋医学の知恵「鍼灸」が自律神経に効く理由

西洋医学的なアプローチに加えて、東洋医学の「鍼灸（しんきゅう）」も、自律神経の乱れに非常に効果的です。

鍼灸は、体の表面にある「ツボ」を刺激することで、体本来の治癒力を高め、気の流れや血の巡りを改善します。

自律神経の乱れは、東洋医学では「気」や「血」の滞り、あるいは「臓腑（ぞうふ）」のバランスの乱れとして捉えられます。

鍼やお灸でツボを刺激することで、乱れた自律神経のバランスを整え、交感神経と副交感神経の切り替えをスムーズにする効果が期待できます。

例えば、ストレスで緊張している筋肉を緩めたり、内臓の働きを活性化させたりすることで、体全体の調和を取り戻し、結果として自律神経のバランスが整っていくのです。

初めて鍼灸を受ける方も、鍼は髪の毛ほどの細さで痛みはほとんど感じませんし、お灸もじんわりと温かく心地よいものです。

ぜひ一度、専門の鍼灸師に相談してみてはいかがでしょうか。


気温の変動による体調不良は、決して気のせいではありません。
自律神経という体の司令塔が疲れているサインです。

今日からできる簡単なケアと、東洋医学の知恵である鍼灸を上手に取り入れて、快適な毎日を過ごしましょう！