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梅雨の時期になると、なんだか体が重くてだるい…と感じることはありませんか? 

低気圧のせいかな?と諦めてしまいがちですが、実はその不調、「ヒスタミン不耐性」という状態が関係しているかもしれません。

 

「ヒスタミン不耐性」という言葉を初めて耳にした方もいるかもしれませんね。 

きっとこの情報が梅雨の時期の不快感を和らげるヒントになるはずです。

ヒスタミンと梅雨の時期の重だるさの知られざる関係

 

私たちの体には、アレルギー反応や炎症に関わる「ヒスタミン」という物質が存在します。

本来、ヒスタミンは体にとって重要な働きをするものですが、ある酵素の働きが低下すると、体内でヒスタミンが過剰になり、様々な不調を引き起こすことがあります。

 

これが「ヒスタミン不耐性」です。

 

ヒスタミンを分解する主要な酵素の一つにジアミンオキシダーゼ(DAO)」があります。

DAOは主に小腸の粘膜上皮細胞に存在し、食事から摂取したヒスタミンを分解する重要な役割を担っています

 

体内でDAOの働きが低下したり、不足したりすると、食事から取り込んだヒスタミンが十分に分解されず、そのまま吸収されて体内に蓄積されてしまいます。

その結果、体内のヒスタミン濃度が過剰になり、様々なアレルギーに似た症状を引き起こしてしまうのです。

 

では、なぜ梅雨の時期にヒスタミン不耐性による不調が顕著になるのでしょうか? 

湿度の高い環境は、カビやダニの繁殖を促し、これらがアレルゲンとなって体内のヒスタミン量を増やす可能性あります。

 

さらに、低気圧による自律神経の乱れも、ヒスタミン代謝に影響を与えると考えられています。

 

結果として、いつも以上に体が重く感じたり、だるさが抜けなかったりといった症状につながることがあるのです

 

 

 

DAO酵素が不足する主な理由

 

DAO酵素の働きが低下したり、不足したりする原因は一つではありません。

いくつかの要因が複合的に関わっていることがあります。

 

  • 遺伝的要因: DAO酵素を生成する遺伝子に特定の変異(多型)があると、酵素の活性が低下したり、生成量が少なくなったりすることがあります。これが最も一般的な原因の一つとされています。

 

  • 腸管の健康状態: DAO酵素の90%以上は小腸の粘膜で作られています。そのため、以下のような腸の健康問題があると、DAOの産生が低下することがあります。
    • 腸管の炎症: クローン病や潰瘍性大腸炎といった炎症性腸疾患、セリアック病などによる腸粘膜の損傷。
    • リーキーガット症候群: 腸のバリア機能が低下し、炎症が起きている状態。
    • SIBO(小腸内細菌異常増殖症): 小腸で特定の細菌が過剰に増殖し、ヒスタミン生成が増えたり、腸粘膜にダメージを与えたりする場合。

 

  • 特定の薬剤の服用: 一部の薬(抗ヒスタミン薬、抗うつ薬、抗生物質、鎮痛剤、特定の血圧降下剤など)は、DAO酵素の働きを阻害したり、産生を抑制したりすることが知られています。

 

  • アルコールの摂取: アルコールはDAO酵素の働きを阻害することが報告されています

 

  • 栄養素の不足: DAO酵素の生成や活性には、ビタミンC、ビタミンB6、亜鉛、銅、鉄などの特定の栄養素が不可欠です。これらの栄養素が不足すると、DAO酵素が十分に機能しないことがあります。

 

  • 過剰なヒスタミンの摂取: ヒスタミンを多く含む食品を慢性的に過剰摂取していると、DAO酵素が常にフル稼働し、酵素の消費が追いつかなくなることがあります。

 

  • 慢性的なストレス: ストレスは自律神経や消化機能に影響を与え、腸の健康状態を悪化させたり、酵素の働きを阻害したりする可能性があります。

 

 

 

ヒスタミン不耐性で起こる問題とは?

 

ヒスタミン不耐性による症状は、梅雨時期の重だるさだけではありません。

以下のような様々な不調が現れることがあります。

 

  • 消化器系の不調: 吐き気、下痢、腹痛など
  • 皮膚の症状: かゆみ、じんましん、湿疹など
  • 頭痛やめまい: 片頭痛やめまいを感じやすくなる
  • 鼻や目の症状: 鼻水、鼻づまり、目の充血、かゆみなど
  • 循環器系の症状: 動悸、血圧の変動など
  • 倦怠感や集中力の低下: 体のだるさや頭がぼーっとする感じ

 

これらの症状は、アレルギーや他の病気と間違われやすいこともあります。

もし心当たりのある症状が複数ある場合は、ヒスタミン不耐性を疑ってみることも大切です。

 

 

 

重だるさを軽減!ヒスタミンが原因の不調を抑える効果的な方法

 

ヒスタミン不耐性による不調を和らげるためには、日々の生活の中でいくつかの工夫ができます。

 

1. ヒスタミンを多く含む食品を控える

  • 発酵食品: チーズ、ヨーグルト、納豆、味噌など(ただし、種類によってヒスタミン量が異なります)
  • 加工肉: ソーセージ、サラミ、ハムなど
  • 熟成肉、魚: 長く熟成されたもの、鮮度の低い魚
  • 特定の野菜や果物: トマト、ナス、ほうれん草、柑橘類、いちごなど
  • チョコレート、アルコール すべての食品を完全に避ける必要はありませんが、症状が重い時期は特に意識して摂取量を調整してみましょう。
     

2. ヒスタミンを分解・抑制する食品を積極的に摂る
 

3. 体内のヒスタミンを分解するのを助ける食材や、ヒスタミンの働きを抑える「抗ヒスタミン食材」を積極的に取り入れてみましょう。

  • 大根おろし: ヒスタミンの分解を助ける酵素(DAO)が含まれていると言われています。
  • りんご
  • 生姜
  • ネトル
  • ターメリック
  • タイム
  • 玉ねぎ
  • ニンニク
  • バジル
  • 緑豆もやし
  • ケッパー
  • ザクロ
  • ペパーミント
  • カモミール
  • クレソン

 

4. ヒスタミンの分解を助ける栄養素を摂る
ヒスタミンを分解する酵素(特にDAO)の働きをサポートするために、以下の栄養素を意識して摂取しましょう。

 

  • ビタミンC: ヒスタミンの分解を促進し、抗ヒスタミン作用も期待できます。パプリカ、ブロッコリー、キウイなどに豊富です。
  • ビタミンB6: ヒスタミン分解酵素(DAOなど)の働きを助けます。マグロ、カツオ、鶏むね肉、バナナなどに含まれます。
  • 亜鉛: ヒスタミン分解酵素(DAO)の活性に必要なミネラルです。カキ、牛肉、豚肉、レバーなどに多く含まれます。
  • 銅: ヒスタミン分解酵素(DAO)の一部として働きます。レバー、ナッツ、アボカドなどに含まれます。
  • マグネシウム: ヒスタミンの放出を抑制する働きや、DAOの働きをサポートする可能性があります。海藻類、ナッツ、豆類などに豊富です。
  • 鉄: DAO酵素の構成成分であり、その活性に影響を与える可能性があります。レバー、赤身肉、ほうれん草などに含まれます。

 

5. 腸内環境を整える
DAO酵素は主に腸管に存在するため、腸内環境が乱れると、ヒスタミンの代謝に悪影響を与えることがあります。食物繊維を多く含む野菜や海藻類を積極的に摂り、バランスの取れた食事を心がけましょう。

 

6. ストレスを管理する
ストレスは自律神経の乱れにつながり、ヒスタミンの代謝にも影響を与えることがあります。十分な睡眠、リラックスできる時間を持つなど、ストレス軽減を意識しましょう。

 

7. 梅雨の時期の湿気対策
部屋の換気をこまめに行い、除湿機などを活用して湿度を適切に保ちましょう。カビやダニの発生を抑えることで、アレルゲンによるヒスタミン増加を軽減できます。

 

 

梅雨の時期の体の重さやだるさが、単なる気候のせいではない可能性を感じていただけたでしょうか。 

 

ヒスタミン不耐性は、まだあまり知られていない状態かもしれませんが、食生活や日々のケアで症状を和らげることが可能です。

 

もし、この記事を読んで「もしかして私も?」と感じた場合は、ぜひ一度ご相談ください。

 

あなた自身の体の声に耳を傾け、快適な梅雨を過ごせるように、ぜひ今日からできることを試してみてくださいね。

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